耐塩害仕様の業務用エアコンについて
耐塩害仕様とは?

耐塩害仕様とは、一般社団法人 日本冷凍空調工業会が定める耐塩害仕様の試験基準(標準規格JRA9002)に基づいています。
室外機の素材や塗装などを強化しており、標準仕様の機器に比べ、塩害や腐食などに耐性があります。
ですが、必ずしも万全に腐食や塩害などを防げるわけではありませんので、注意が必要です。(室内機は通常仕様です)
耐塩害仕様と耐重塩害仕様の2種類があり、主に、以下のような使用環境で使い分けがされます。
JRA耐塩害仕様 選定の目安

- 室外機の設置場所から海まで約300m~1km以内の場所
- 室外機が建物の影になる場所
- 室外機が雨で洗われることの多い場所
JRA耐重塩害仕様 選定の目安

- 室外機の設置場所から海まで約300m以内の場所
- 室外機に潮風が当たる場所 ※ただし、塩分を含んだ水分が直接かからない場所
- 室外機が海岸面になる場所
- 室外機に雨があまりかからない場所
- 室外機の設置場所近辺のトタン屋根やベランダの鉄製部の塗り替えが多い場所
耐塩害仕様の据付・維持管理の注意点
先述の通り、JRA耐塩害仕様機・耐重塩害仕様機は素材や塗装を強化していますが、必ずしも腐食しないわけではありません。そのため、据付計画や保守を行うことで、防食効果を高めることが可能です。
- 海水飛沫および潮風に直接さらされることを極力回避するような場所へ設置してください。
機器の設置は建物の風下にしてください。
やむを得ず海岸面に機械を設置する場合でも、防風板を設けて直接潮風が当たるところを避けてください。
据付方向に注意してください。(海岸線に平行と直角では腐食度合いが異なります。) - 外装パネルに付着した海塩粒子が雨水によって十分に洗浄されるように配慮してください。
- 室外ユニット底板内への水の滞留は、著しく腐食作用を促進させるため、底板内の水抜け性を損なわないよう傾きなどに注意してください。
- 海岸地域への据付品については、付着した塩分等を除去するために定期的に水洗いをおこなってください。
- 水はけの良い場所に設置してください。特に基礎部分の排水性を確保してください。
- 据付け、メンテナンス等にて付いた傷は、必ず補修してください。
- 機器の状態を定期的に点検してください。
- 必要に応じて再防錆処置や部品の交換等を実施してください。